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R4年度 卒業式 式辞より抜粋

~四十八名の卒業生の門出を祝い 多くの方々に感謝の気持ちを込めて~

 四十八名の卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。 

 みなさん一人一人に渡した卒業証書には、6年間のみなさんの努力とともに、これまで温かく見守ってくださったご家族や地域の方々の深い愛情が込められています。共に成長を願い、歩んできた私たちも、みなさんの堂々とした姿に、胸がいっぱいです。

  

 この六年間は、決して平坦ではなかったことでしょう。友達とうまくいかなかったり、頑張れない自分に出会ったりして、悩んだこともあったかもしれません。特に、この三年間は、コロナ禍で我慢を強いられ ることも多く、学校生活や多くの学校行事も制限の中でした。でも、その範囲の中で自分たちで楽しみをつくり、楽しんでくれていましたね。 

 大杉合宿では、仲間と声を掛け合い、助け合って城山を登りました。黙食が強いられた食堂では、他校の児童がいる中でも、いつも通り、ルールを守って静かに食事をしていました。どこへ行っても、いつも通り、できることを当たり前に行う姿は、凛々しく、美しく、誇らしく感じました。また、運動会では、制限のある中、二クラスが互いに刺激し合い、一生懸命に頑張る姿がありました。声をからしながらの応援合戦、全力疾走で駆け抜けた全員リレー。勝敗ではなく、仲間のために一生懸命にがんばる姿から、自分のできることを精一杯行う心意気を感じ、感動したのを覚えています。

  この制限のある生活は、決して悪いことばかりではありませんでした。この先の予測困難な社会を 互いを思いやり、助け合い、知恵を出し合って、できることを精一杯行っていくことの大切さを学び、行動してきてくれました。それは、本校の教育目標である「『やさしく』『かしこく』よりよく生きる」を学んでくれた証だと思っています。

 また、そのことは、みなさんが卒業に当たって色紙に書いた「漢字一文字」からも、感じられました。楽しい、幸せ、平和、感謝、笑顔、健康。そこから選んだ一文字からは、生きていく上で、何が大切なのかを見おつけた姿がありました。友、考える、助ける、協力の文字からは、友と共に学び考え、成長してきたことを実感し、これからもそうありたいと願う姿がありました。また、努力や挑戦、新しいの一文字からは、自分への決意が感じられました。中には、「人」という文字を選んだ子もいました。「人は支え合って生きている。」と。自分も多くの人によって支えられて今の自分があることを実感したのでしょう。

 この一人一人が描いた文字こそが、この六年間の学習の成果です。「よりよく生きる術」を学んでくれました。この文字がこれからも、心の宝物として、みなさんの道しるべとなることでしょう。また、立ち止まった時に、勇気を与え、助けてくれることでしょう。

 この先、困難や新しいことに出会っても、その心に刻んだ文字を勇気の源とし、行動にうつしていってください。そして、「海の命」の太一が「村一番の漁師であり続けた」ように、「勝ち負けでは得られない、豊かな人生」を歩んでいってほしいと思います。

  いよいよ四月から中学生、新しい仲間とも出会い、社会へ出るための準備を始めます。期待と共に不安もあるかもしれません。でも、大丈夫です。みなさんは、「漢字一文字」にあるように、何が大切か、何が正しいかを知っています。これまでの学びを自信とし、勇気をもって、正しい選択をし、前向きに行動していってください。そして、「自分の思い描く、幸せな人生」を築いていってください。

  どうしても辛くなったら、立ち止まればいいのです。困ったときは、周りに助けを求めてください。あなたの周りには、あなたをとても大切に思っている人がいることを忘れないでください。

  慈しみ育ててくださったご家族はもちろん、見守り隊の皆様はじめ、多くの地域の皆様、習い事などの監督・コーチ、先生方などが、みなさんを見守り、育ててくださいました。それは、これからも変わりません。

  みなさんは、この矢田野の宝なのです。

 そして、未来、希望なのです。

 この地を離れる事があっても、地域愛にあふれマンパワーあふれる矢田野の地に生まれ、伝統ある矢田野小学校を卒業した事を誇りとし、多くの皆様が、みなさんの応援団である事を忘れず、前向きに、自分の人生を歩んで行ってください。私達教職員もその一員として、「大きな木」となり、みなさんの成長を見守っていきたいと思います。

  結びに、ウクライナとロシアの戦争が一日も早く終結することを、また、皆様が大きな争いや災害に出会うことなく、平和な社会にあって、健康で穏やかな日々を過ごしていけますことを 心から願い、式辞と致します。 

               令和五年三月十六日